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出落ちタイトルで失礼します。
『舟を編む』第5回は実によい回でした。恋文を読んでいる西岡に必要以上に語らせず、背中と足で演技させる辺りなど最高でしたね。


今回は、いよいよ〈大渡海〉の紙面が登場しました。

大写しになったのは「返し」です。はい。

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ここから、〈大渡海〉の紙面レイアウトの方針がわかります。列挙してみましょう。

  • 見出しはゴチ(ゴシック体)、本文は明朝体。
  • 重要語の見出しは2行取りで大きく示す。
    • 〈大辞林〉や〈大辞泉〉と同じ。
  • アクセントは、「その語のどの文字で音が下がるか」を、囲み付きの片仮名で示す。
    • 「返し」には「シ」とある。つまり、「かえし」の「し」(の直後)で落ちる。
    • 〈集英社国語辞典〉と同じ示し方。
  • 旧仮名遣いを割ルビ(割注)の要領で示す。
  • 常用外の読みは「▽」で示す。
  • 「~を見よ」の記号は「⇒」を使う。
  • 古典の用例は典拠を示す。
    • 「後拾遺和歌集 雑五」とあるのがそれ。
    • なお引いてある用例は「吹き返す東風の━は身にしみき」となっているはず。〈大辞林〉と同じ。
  • 「反切」という聞きなれない語にはルビを振る。

ざっとこんなところでしょうか。
ブランチ(意味区分のこと)を分ける黒丸に白抜きの数字は劇中、見にくいから変えよう、という話になっていました。ただ、黒丸数字をブランチの番号に使う辞書もあります。三省堂〈現代新国語辞典〉などがそうですね。この辺のチョイスは設計の意図、あるいはもしかしたら編者の趣味次第です。


もうひとつ出てきた紙面は「きのこ」でした。それ。

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馬締画伯のイラストは割愛。

  • 右端の「(紀)伊国屋文左衛門」より、人物の項目には生没年をつける。
  • 季語は《季》で示す。

といったことがわかります。ちなみに下段は「木下杢太郎」と思われます。


「返し」と「きのこ」の語釈の内容は、いずれも飯間浩明先生の手になるものであった由。

暇があれば、画面に映っていない部分を予想して、埋めてみるのも一興かと思います。


さて、甚だ短いようですが記事はここまでです。

実は先の土曜日、11月12日に新宿で開かれた「語彙・辞書研究会」というイベント(と言っていいもんか)に行ってまいりました。
そこでくだんの飯間先生が「紙の辞書はもう死にました」と発言されたのです。

その辺の経過をTogetterで以下のようにまとめ、公開しました。

リンクを見てもらうとわかるんですけど、これがえらい反響があり……更新などでだいぶ時間を使ってしまい、あれよという間に水曜です。記事の方に時間を割けずじまいでした。
代わりと言っては何ですが、まとめは結構面白いことになっていると思いますから、どうぞお読みください。

あすの夜明らかになる恋文の行方、〈大渡海〉の行方、西岡の行方を楽しみにしつつ今回は終わりとします。

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